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TOHO BEADS MEDIA

白さだけが美しさじゃない。伊勢で出会った「無漂白アコヤ真珠」が教えてくれたこと。

  • 7月1日
  • 読了時間: 5分

伊勢を訪れたときのこと。

真珠の生産者の方とお話しする機会があり、テーブルの上に並べられた二つのアコヤ真珠を見せてもらいました。


一つは、私たちが普段ジュエリーショップでよく目にする美しい白いアコヤ真珠。


そして、もう一つは「無漂白」のアコヤ真珠でした。


最初は正直、

「少し色が違うな。」

そのくらいの印象でした。

ところが、生産者の方がこう話してくれました。


「最近、海外では無漂白の真珠を探すバイヤーが増えているんですよ。」


その一言で、私の真珠を見る目は大きく変わりました。


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私たちが見慣れている「白い真珠」


実は、多くの人が「アコヤ真珠らしい」と思っている白い真珠。

その美しい白さは、採れたままの色ではないことがあります。


アコヤ真珠は養殖された後、汚れや黄色味を取り除き、美しく均一な色合いに整えるために漂白処理が行われることが一般的です。


もちろん、これは品質をごまかすためではありません。

何十年も続いてきた、日本の真珠産業を支えてきた技術の一つです。

だから「漂白=悪い」という話ではありません。


私はむしろその技術力の高さ、そして、

「美しい物を、より美しくしたい」

という精神に、日本らしさを感じています。


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でも、時代は少しずつ変わってきた


ここ数年、世界中で価値観が変わり始めています。


古くから愛されてきた天然真珠。

いきものの力を借りて作られる貴重な結晶は、古くは紀元前の中国から古代メソポタミア、エジプトなど様々な地域で富と地位の象徴とされてきました。


そんな真珠について、永らく重要視されてきたのは


「傷一つないもの」

「色が均一なもの」

「完璧なもの」


そんな「調和のとれた美」が高く評価されました。


その「美の物差し」は、それにそぐわないものを「規格外」として弾いてしまう。


でも今は違います。


ワインは自然な個性が評価され、

革は使い込んだ風合いが愛され、

木材は節があることで唯一無二になる。


そして真珠も、「自然のままが美しい」という価値観が生まれ始めています。


また、変化した価値観は「美」に対するものだけではありません。


「環境への配慮」という近代的な価値観。


漂白の為の薬剤は、多かれ少なかれ環境へ影響を与えるはず。

そして海外の需要の中には「環境に良い」という点も最近は重要視されている様子。


漂白材を使用しない自然のままの真珠は、

そんな新たな価値観にもマッチしたのではないかと思いました。


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無漂白だからこそ見える景色


無漂白の真珠は、本当に一粒一粒表情が違います。


少しクリーム色。

ほんのりシルバー。

光の角度でグリーンが見えるもの。

ピンクが浮かび上がるもの。


海の中で何年も育ち、貝が時間をかけて作り上げた色。

それを人の手で変えず、そのまま残す。

なんだか最近よく耳にする


「ありのまま」


という言葉が、一番似合う宝石なのかもしれません。


特にアコヤ真珠は、透明感のある美しい色合いを持つ真珠。

無漂白は、そんな澄んだ色をそのまま残すという選択のひとつです。


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ふと思ったことがあります


私たちは昔から「白い真珠が美しい」と教えられてきました。


でも、もし無漂白真珠しか存在しなかったら?


逆に漂白した真珠を見て

「色を変えちゃったんだね」

と思ったかも。


「美しさ」だけではなく、様々な”価値”は

時代が作っているのではないでしょうか。



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ビーズも、同じかもしれない


私は普段、ビーズに携わる仕事をしています。


ビーズも昔は、


均一であること。

同じ色であること。

同じ形であること。


それが品質でした。

もちろん、それは今でも大切です。


でも最近は、


手仕事らしさ。

素材感。

個性。


そんなものに魅力を感じる人が増えています。


無漂白真珠の話を聞いて、ビーズの未来にも少し重なるものを感じました。


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私も一粒、無漂白を選びました


今回、私は無漂白のアコヤ真珠を購入しました。

派手ではありません。

一目見て圧倒されるような白さもありません。


でも、不思議なんです。


時間が経つほど見たくなる。

光を当てるたびに違う表情を見せてくれる。


「美しさって、派手さじゃないんだ。」


そんなことを教えてくれる真珠でした。


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本当の豊かさとは


大量生産の時代から、個性を大切にする時代へ。

完璧を求める時代から、自然を受け入れる時代へ。


無漂白アコヤ真珠が注目され始めているのは、単なる流行ではなく、私たちの価値観そのものが変わってきている証なのかもしれません。


これから真珠を選ぶ機会があれば、ぜひ一度「無漂白」という選択肢にも目を向けてみてください。


そこには、自然だけがつくることのできる、静かで奥深い美しさがあります。


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おわりに


私たちはつい、


「より白く」

「より美しく」

「より完璧に」


という価値観で物を見てしまいます。

しかし、自然が生み出したものには、一つとして同じものはありません。


だからこそ、美しい。


無漂白アコヤ真珠は、そんな当たり前だけれど忘れかけていたことを思い出させてくれます。


伊勢で出会った一粒の真珠。


それは単なる宝石ではなく、「自然の価値」を教えてくれる、小さな先生でした。



(この写真は、ビーズ情報誌「ビーズfriend」にて作品写真を撮影されている村尾香織さんが監修し、作成した「フォトスタイリングシート」を背景として使用して撮影しています。

小さな真珠が背景に埋もれず、かつ華やかに撮影できる優れもの👍)


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